高度医療人材養成拠点形成事業の対象大学として京都大学が選定されました

文部科学省では、臨床教育・研究に関する知識・技能を有する優れた医師を養成する拠点形成事業として、高度医療人材養成拠点形成事業の公募を行いました。京都大学も独自の人材養成プログラムを策定し、本事業に応募しておりましたが、この度、無事に対象大学として選定されました。詳細は文部科学省の公式Webサイト(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/iryou/2022001_00015.htm)をご参照ください。

京都大学では、「AIの活用と屋根瓦式教育によるクロスフィールド人材養成拠点事業 Kyoto NEXT (Near-peer Education and dX ‘hub project’ for clinical and research Training) 」として、AIの活用と屋根瓦式教育により、人材育成と効率性を同時に追求します。「AIによる省力化が可能な業務」と「人が成長できる業務」を区別し、前者はAIを効果的に活用することで、後者は屋根瓦式教育を通じて、個々人のスキルアップと業務の分散・効率化を同時に達成することを目指します。屋根瓦式教育は学生・大学院生を組み込み、研究から臨床教育まで途切れることなく展開します。さらに、総合大学であることを活かした京都大学の幅広い人材や、長い歴史の中で蓄積した豊富な臨床研究の実績、先端医療研究開発機構が有する強力な研究支援機能を活用し、大学の枠組みを超えた多職種・分野横断的な人材養成を可能とする拠点形成を目指します。本事業により、現在活躍する研究人材を効果的にサポートするとともに、将来活躍する人材を育成し、持続的に発展させていきます。

本事業において、医学教育・国際化推進センターは屋根瓦式教育のマネジメントと人材育成という重要な役割を担います。次世代を担う高度医療人材の育成に貢献して参りますので今後とも御支援のほどよろしくお願い致します。

用語解説:屋根瓦式教育

「屋根瓦式教育(または屋根瓦教育)」という名前は、日本の伝統的な瓦屋根の構造に由来しています。瓦屋根は、瓦が互いに重なり合って支え合う構造をしています。上にある瓦は下の瓦に支えられ、同時に下の瓦も上の瓦を支えることで全体として安定した構造を保ちます。このような相互支援の仕組みが教育のスタイルにも反映されているため、このようにと呼ばれています。具体的には、上級者(教授や先輩)が中級者(助教や講師)、そして初級者(学生)を順に指導することで、知識や技能が段階的に伝達されます。このプロセスでは教える側もまた学びながら成長できるため、教育効果が高まります。このように全ての層が互いに支え合うことで、教育の質と持続性が向上することを意図しています。